この記事でわかること
- clusterでワールドを作る2つの方法(ワールドクラフトとCluster Creator Kit)の違い
- 自分がどちらから始めるべきかの判断基準
- それぞれの具体的な作成手順と、必要なパソコン環境やUnityのバージョン
- 作ったワールドを収益につなげる導線
clusterでワールドを作る方法は、大きく分けて2つあります。アプリの中だけで完結する「ワールドクラフト」と、パソコンとUnityを使う「Cluster Creator Kit」です。結論から言うと、初めての方はワールドクラフトから始めるのが最短です。この記事では、2つの違い、選び方、実際の手順、そして作ったワールドを収益につなげる考え方までをまとめて解説します。
clusterそのものが初めての方は、先にclusterの使い方完全ガイドで登録からイベント参加までを済ませておくとスムーズです。
clusterのワールドは2つの方法で作れる
clusterには、遊ぶ側から作る側に回るための入口が2つ用意されています。この2つは対立するものではなく、難易度と自由度のグラデーションだと考えてください。
よくある誤解:ワールドを作るにはUnityを覚えるしかない、と思われがちです。実際にはスマホだけで作って公開できる仕組みが公式に用意されています。Unityが必要になるのは、その先の自由度がほしくなったときです。
ワールドクラフト:アプリの中だけで完結する
ワールドクラフトは、特別なソフトを用意せずcluster内で直感的にワールドを作れる機能です。公式の解説でも、スマートフォンからでも作れる方法として案内されています。用意されたクラフトアイテムを空間に置いていく感覚で、マインクラフトのような建築に近い作り方になります。
大きな特徴が、複数人で同時にアイテムを設置できることです。友人同士やコミュニティのメンバーで、その場に集まって一緒に作っていけます。1人で黙々と作るのではなく、作る過程そのものがイベントになるという点は、他のプラットフォームにはあまりない性質です。
Cluster Creator Kit:Unityで自由度を取りにいく
Cluster Creator Kitは、パソコンとゲームエンジンのUnityを使って、より自由度の高いワールドを作るための公式ツールです。地形もオブジェクトも自分で用意でき、ギミックやゲーム的な処理も組み込めます。ワールドクラフトが用意された部品を並べる方式なのに対して、こちらは部品そのものから作れると考えるとわかりやすいです。
公式のクリエイター向けサイトには、Unityに触れたことがない人向けの動画チュートリアルが用意されています。全7回、合計およそ30分でワールド制作の基礎をたどれる構成なので、いきなり分厚い解説書を読み込む必要はありません。
2つの違いを表で整理する
| 比較項目 | ワールドクラフト | Cluster Creator Kit |
|---|---|---|
| 必要な機材 | スマホでも可 | WindowsまたはmacOSのパソコン |
| 必要なソフト | clusterアプリのみ | Unity(推奨バージョンあり) |
| 作り方 | クラフトアイテムを配置する | 3Dモデルやギミックを自分で組む |
| 自由度 | 用意された部品の範囲内 | ほぼ制限なし |
| 共同制作 | 複数人で同時に設置できる | 基本は個人作業(データ共有で分担) |
| 習得の速さ | その日のうちに形になる | 数日から数週間 |
どちらを選ぶべきかの判断基準
迷ったときは、作りたいものではなく「今週中にどこまで進めたいか」で決めるのがおすすめです。
まずワールドクラフトから始めるべき人
- メタバースでの制作が初めてで、まず1つ完成させたい
- パソコンを持っていない、または3Dソフトに触れたことがない
- コミュニティの集まり場所や、イベント用の会場がほしい
- 仲間と一緒にわいわい作る過程を楽しみたい
ワールドクラフトの最大の価値は、完成までの距離が近いことです。作りかけで止まっているワールドは誰の目にも触れません。まず公開して、人に入ってもらい、反応を見る。この一周を早く回せるほど、次に作るものの精度が上がります。
最初からCreator Kitを選ぶべき人
- ゲーム性のあるワールドや、独自の仕掛けを作りたい
- 企業やお店の空間として、世界観を細部まで再現したい
- すでにUnityやBlenderに触れたことがある
- 制作を仕事として受注していきたい
特に制作を仕事にしたい場合は、Creator Kitの習得が実質的な参入条件になります。クライアントの要望は「用意された部品の範囲内で」では収まらないことがほとんどだからです。
作る前にプラットフォーム選びから考えたい方は、VRChatとclusterの違いを解説した記事もあわせてご覧ください。
ワールドクラフトでワールドを作る手順
clusterにログインして新しいワールドを作る
アプリ内のワールド一覧から、自分のワールドを新規作成します。最初はテンプレートとして用意された土地の中から選ぶ形になります。
クラフトアイテムを配置する
公式が用意しているクラフトアイテムを選び、空間に置いていきます。建物、家具、植栽、乗り物などが揃っているので、まずは中心となる建物を1つ決めてから周囲を埋めると迷いません。
動線を確認する
自分のアバターで実際に歩いてみます。入口からどこへ視線が向くか、迷わず目的地にたどり着けるか。ここを詰めるかどうかで滞在時間が変わります。
公開設定を変えて人を呼ぶ
公開範囲を設定し、SNSでワールドのリンクを共有します。最初の来訪者は身近な人で構いません。感想をもらって直す、を繰り返します。
Cluster Creator Kitでワールドを作る手順
Unity Hubと推奨バージョンのUnityを入れる
まずUnityの公式サイトからUnity Hubをインストールし、そこから公式が推奨するバージョンのUnityエディタを入れます。本記事の執筆時点での推奨は Unity 6000.2.6f2 で、Creator Kit 3.0.0以上が必要とされています。
ビルドサポートのモジュールを追加する
OSに応じて追加モジュールが必要です。Windowsの場合はAndroid、iOS、Mac Build Support、macOSの場合はAndroid、iOS、Windows Build Supportを入れます。ここを飛ばすと後でアップロードにつまずきます。
Cluster Creator Kitを導入して空間を組む
Unityのプロジェクトにキットを導入し、地形やオブジェクトを配置していきます。公式の動画チュートリアルは全7回でおよそ30分なので、最初は手を動かしながら通しで1本作るのが近道です。
アップロードして動作を確認する
Unityからclusterへアップロードし、スマホとパソコンの両方で入って確認します。パソコンで軽くてもスマホで重い、という差がよく出るためです。
注意点
Cluster Creator KitはWindowsとmacOS以外の環境には対応していません。またUnityの推奨バージョンはキットの更新に合わせて変わります。古いバージョンのまま作業を進めると、アップロードの段階でエラーになることがあるため、着手前に必ず公式ドキュメントで最新の推奨バージョンを確認してください。
作ったワールドを収益につなげる導線
ワールドは作って終わりではありません。clusterには、作ったものを収益に変えるための仕組みが段階的に整えられてきました。
自作クラフトアイテムを販売する
ワールドクラフトで使うアイテムは、自作したものを出品して売買することもできます。買われたアイテムは購入者の作る全てのワールドで使えるため、1つ作れば繰り返し売れる資産になります。ワールドそのものより、そこに置く部品を売るという発想です。
ワールド内課金商品を設定する
2024年8月29日のCluster Creator Kit v2.21.0.2で、ワールド内で課金商品を販売できる機能が正式に追加されました。公式のガイドラインでは、価格に見合った効果や演出があること、購入すると何が得られるのかが明確にわかるように商品情報を設定することが求められています。中身の薄い商品を並べる運用は想定されていません。
ワールドを会場にしてイベントを開く
作ったワールドは、そのままイベント会場として使えます。集客ができるようになると、企業からの会場提供や制作の依頼につながることもあります。収益の受け取り方や料率は変更されることがあるため、実際に始める前に公式ヘルプで最新の条件を確認してください。
収益化の全体像はclusterで稼ぐ方法で、費用面はclusterの料金と課金要素の記事で詳しく解説しています。
初めてのワールド制作でつまずきやすい点
- 作り込みすぎて公開しない:完成度より公開のほうが先です。人が入ると直すべき場所が見えます
- スマホでの重さを確認していない:clusterの利用者にはスマホユーザーが多く、パソコン基準で作ると入れない人が出ます
- 広すぎる空間を作る:広いほど人がまばらになり、寂しい印象になります。最初は狭いくらいで十分です
- 権利関係の確認漏れ:他者が作ったモデルや音源には利用規約があります。商用利用の可否は必ず確認してください
よくある質問
Q: ワールドクラフトはスマホだけで作って公開できますか?
A: できます。ワールドクラフトはcluster内で完結する機能で、特別なソフトを用意しなくてもスマートフォンから作成と公開が可能です。ただし独自のギミックやゲーム的な処理を入れたい場合は、パソコンとCluster Creator Kitが必要になります。
Q: Cluster Creator Kitを使うには何が必要ですか?
A: WindowsまたはmacOSのパソコンと、公式が推奨するバージョンのUnityが必要です。執筆時点の推奨は Unity 6000.2.6f2 で、Creator Kit 3.0.0以上が求められます。あわせて、OSに応じたAndroidやiOSなどのビルドサポートモジュールの追加も必要です。
Q: 作ったワールドはどうやって収益につながりますか?
A: 自作クラフトアイテムの販売、ワールド内課金商品、ワールドを会場にしたイベント開催という導線があります。ワールド内課金商品は2024年8月29日にCluster Creator Kit v2.21.0.2で追加された機能です。料率や受け取り方法は変わることがあるため、公式ヘルプで最新の条件を確認してください。
まとめ
この記事のポイント
- clusterのワールド制作には、アプリ内で完結するワールドクラフトと、Unityを使うCluster Creator Kitの2つの入口がある
- 初めてならワールドクラフト。スマホだけで作れて、複数人で同時に制作できる
- ゲーム性や受注制作を狙うならCreator Kit。WindowsまたはmacOSと推奨バージョンのUnityが必要
- クラフトアイテム販売、ワールド内課金商品、イベント開催が収益の導線になる
- 作り込みより先に公開する。人が入って初めて直すべき場所が見える
ワールドを持つと、clusterの中での立ち位置が「参加する人」から「集める人」に変わります。まずは小さな部屋を1つ、今週中に公開してみてください。次に読むなら、収益の全体像をまとめたclusterで稼ぐ方法の記事がおすすめです。

コメント