2025年7月に東京ビッグサイトで開催された「XR・メタバース総合展【夏】」では、企業のメタバース活用に関する具体的な提案と技術が多数登場しました。
本記事では、展示会で見えた最新トレンドをもとに、今後のメタバース導入の方向性を解説します。
XR×生成AIの融合が本格化

2025年のXR展示会で最も注目されたテーマの一つが「XRと生成AIの連携」です。
AIキャラクターが来場者と会話したり、ARグラス越しに相手の情報をリアルタイム表示するなど、AIを活用したコミュニケーション支援ツールが登場。
- 営業・接客現場でのAIナビゲーション
- 社内研修でのAIキャラクターによる教育支援
- 顧客対応のパーソナライズ化
生成AIとXRの融合により、メタバース空間での業務自動化や顧客体験の質向上が期待されています。
産業用XRが主役に
ゲームやエンタメ色が強かった過去と比べ、2025年は「産業向けXR」の展示が主流に。
特に製造業・建設業・接客業の現場で、実践的な導入事例が目立ちました。
- MR設計支援ツール(CADと連携し、空間上での設計ミス検出)
- VR接客トレーニング(ホテルや飲食業での教育活用)
- 遠隔作業支援(現場にいなくてもARで指示可能)
導入のポイント:ROIを明確にし、「研修効率化」や「ミスの削減」といった定量的メリットを示すことで、経営層の納得を得やすくなっています。
メタバース+教育・医療の広がり
医療シミュレーターやVR教材作成支援ツールなど、専門職研修に特化した展示も目立ちました。
- 教材作成ツールにより、専門知識がなくても研修VRコンテンツが作れる
- 医療や災害現場を模したトレーニングで臨場感と安全性を両立
教育・研修分野での活用は、コストパフォーマンスが良く、企業内でのXR導入の第一歩として最適です。
空間コンピューティング時代の幕開け
Apple Vision Proの登場以降、XR業界は「空間コンピューティング」へシフト。
展示会では、XREALやMeta Quest 3、HoloLens 2など、各社の最新MRデバイスが体験できるブースが立ち並びました。
- 仮想オフィス・仮想会議の質が劇的に向上
- デザイン・エンジニアリング部門でのリアルタイム3Dレビュー
- 軽量・高解像度のグラス型デバイスにより、業務中の常用が可能に
空間コンピューティングは、リモートワークや現場業務の「第三の選択肢」として定着し始めています。
今後の導入成功のカギとは?
2025年のXR展示会では、技術そのものよりも「どう導入するか」に焦点が当たっていました。展示会で聞かれた成功企業の共通点は以下の通りです。
- 小さく試して、効果を数字で証明する(PoC→本格導入)
- 業務フローの課題から逆算してXRを当てはめる
- IT部門と現場部門の連携を密にする
メタバース導入はもはや「遠い未来の話」ではなく、すでに成果を出している企業も増えています。
まとめ:2025年以降のメタバース導入戦略
XR・メタバース総合展【夏】2025の内容からは、以下のような変化が明らかになりました。
- XRはエンタメからビジネスへと確実に移行
- 教育・医療・製造など、リアル業務との接点が増加
- AI・空間コンピューティングとの融合で次のフェーズへ
今こそ、メタバースを「試す」ではなく「使いこなす」段階です。
次の導入先は、あなたの業務かもしれません。
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