メタバースとは、ユーザーひとり一人のアバターを通じてコミュニケーションや経済活動を行うことのできる3次元の仮想空間のことです。
メタバース空間では、現実に近い環境で活動ができ、集まって会話をしたり、スポーツやライブ、買い物などを楽しむことができます。
将来的には、SF映画のように、メタバース上のサービスとデバイスが進化して「食事と睡眠以外のほぼ全てが体験できるようになる」とも言われています。
メタバースの世界市場
世界的には、メタバースは注目を集めており、市場規模は拡大しています。
2020年時点での世界のメタバース市場規模は約68兆円であり、2024年には約111兆円に成長すると予想されています。また、メタバースゲーム関連市場においては、ソフトウェアと広告が最も大きな割合を占めることが予想されています。
日本国内でも急速な成長が見込まれており、2021年度時点でのメタバースの市場規模は約744億円であり、2026年度には約1兆円に達すると予想されています。
- 2022年: 約6,551億ドル
- 2028年: 約8,289億ドル (CAGR 12.4%)
- 2030年: 約78兆8,705億円 (総務省)
- VR/AR技術の進化
- 5G通信の普及
- コロナ禍によるオンライン化の加速
- ゲーム市場の拡大
- NFTやブロックチェーン技術の活用
メタバースと日本
日本政府はメタバースの潜在力を認識し、国家戦略として取り組むことを決定しました。
特に「ムーンショット計画」という野心的なプロジェクトを通じて、未来の社会を形作る重要な要素としてメタバースを位置付けています。
メタバースとムーンショット計画
日本政府が推進するムーンショット計画は、将来の社会課題を解決するための画期的な技術や概念を開発することを目的とした研究開発プログラムです。内閣府
この計画の中でメタバースは、人々が物理的な制約にとらわれることなく、どこからでも仕事や学習、交流ができる新しいデジタル社会の実現を目指しています。
メタバースは、遠隔教育、テレワーク、バーチャル旅行、バーチャルイベントなど、多方面でその応用が期待されています。
ムーンショット計画は9つあり、1つ目は、2050年までに、人が身体・脳・空間・時間の制約から解放された社会を実現とあります。
ムーンショットという名称は、1960年代に行われたアメリカのアポロ計画(月面着陸を実現した計画)に起源を持ち、その計画が引き起こした技術的進歩と社会への深い影響を表しています。
IP(知的財産)とメタバース
日本はアニメ、ゲーム、マンガなどのコンテンツ産業で世界をリードしていて、豊富なIP(知的財産)があります。
これらのIPは、メタバース内での体験を豊かにし、新しい価値を提供する重要な資源です。
例えば、有名なアニメのキャラクターや世界観をメタバース内で再現することで、ファンは好きな作品をまったく新しい形で体験することができます。
また、メタバース上でのコンサートやイベントでは、リアルとバーチャルの境界を越えた新しいエンターテインメントの形態が実現可能です。具体的な事例を紹介します。